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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻11号

1997年10月発行

文献概要

特集 オキュラーサーフェスToday Ⅰ 難治性角膜疾患と新しい治療法

難治性翼状片の治療—瞼球癒着を伴った再発性翼状片

著者: 真島行彦1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.41 - P.44

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1.善翼状片は第1回目の手術が重要である
 以前は翼状片術後に再発が多かったが,その後種々の手術法が報告され,最近では初回手術後の再発は少なくなってきている。現在,翼状片切除および結膜弁移植(有茎または遊離)が一般的な術式と思われる1)。手術のシェーマを図1に示す。翼状片である結膜下の増殖組織は結膜上皮とできるだけ剥離し,切除する(図1A)。この時強膜露出部が大きくなるので,結膜弁移植を行う(図1B)。結膜弁移植は有茎または遊離があるが,前者のほうが簡便で,より侵襲が少ないと思われる。障害された輪部には正常な結膜が接するようにする。術後の再発は早いと1〜2か月で生じてきていることを考えると,術中および術後の手術侵襲をできるだけ少なくすることが重要である。単純切除だけや単純切除および結膜断端縫合法では,結膜上皮下の増殖性組織が再発しやすい1,2)。また,強膜を大きく露出すると,炎症の消退が遅くなる。したがって,露出強膜部は正常な結膜で被うことが重要である。また,翼状片組織は角膜侵入部の先端付近でボウマン膜を越え癒着しているが,その他の部位では癒着していないことも多いので,できるだけ実質には障害を加えないように切除する,翼状片部位での輪部構造は破壊されているが,術後の上皮化は周囲の角膜上皮から3〜4日で終了する,この方法で,慶應義塾大学眼科での再発は数%である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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