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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻11号

1997年10月発行

特集 オキュラーサーフェスToday

Ⅰ 難治性角膜疾患と新しい治療法

眼アレルギーに伴う角膜病変と新しい治療法

著者: 深川和己1

所属機関: 1国立小児病院小児医療研究センターアレルギー研究部

ページ範囲:P.57 - P.62

文献概要

 1.アレルギー性疾患は増加している? 世界中の先進国でアレルギー性疾患が増加している。特に若年層のアレルギー性眼疾患の罹患率は増加の一途をたどっている。アレルギー性疾患は遺伝的なアトピー素因と環境因子が相まって発症すると考えられる。アトピー性素因を決定する遺伝子は第11染色体長腕部13に存在する高親和性IgE受容体β鎖(FcεRIβ)遺伝子である1,2)といわれているが,大気汚染・室内環境の悪化・食生活の変化・ライフスタイルの変化とストレスの増加・寄生虫の減少などの環境の変化によって,アレルギー性疾患が増加してきたと考えられる。
 以前は患者数も少なく,軽症例が多かったため,眼科領域ではマイナーな疾患とのイメージがあったようである。近年,患者数の増加のみならず,アトピー性疾患を合併して角膜障害による視力低下をきたすような重症例も増加し,眼科医の病態の理解に基づく適切な治療が必要とされている。そこで,本稿では春季カタル,アトピー性角結膜炎を含めたアレルギー性結膜炎の病態と角膜障害発生の機序,そして治療について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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