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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻11号

1997年10月発行

文献概要

特集 オキュラーサーフェスToday Ⅱ ドライアイとオキュラーサーフェス

ドライアイの病因論—シェーグレン症候群を中心に

著者: 吉野健一1

所属機関: 1吉野眼科クリニック

ページ範囲:P.71 - P.75

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 角膜,結膜,涙液の相互関係を包括的にとらえ,疾患の病態形成をより深く究明するうえで「オキュラーサーフェス」という概念は非常に合理的である。たとえばその例としてドライアイの重篤なタイプであるシェーグレン症候群の場合,その特有な病態は角結膜細胞の脱落,バリア機能の低下,ムチン発現の減少,扁平上皮化生などの角結膜病変として観察される。しかしその背景には涙液の異常があり,病態の形成には「角結膜」と「涙液」の相互作用を考えると理解しやすい。この涙液は涙腺で産生され分泌されるため,ドライアイの病態は従来のオキュラーサーフェスの概念に加え涙腺も考慮に入れ「角結膜」—「涙液」—「涙腺」の相互作用として考えるとその病態は一層理解しやすくなると思われる。涙腺も含めたオキュラーサーフェス構成成分の相互作用を包括的に理解することにより,病態形成の原因と結果をより明確にすることが可能となり,これはより合理的な治療法の究明につながるものと考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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