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オキュラーサーフェスと私
オキュラーサーフェスとの40年
著者: 林文彦1
所属機関: 1林眼科病院
ページ範囲:P.90 - P.90
文献購入ページに移動1.洗眼の功罪
我々世代の眼科医としての出発は,トラコーマ患者を洗眼することから始まった。昭和30年代,抗生剤が出回った後も開業医の外来処置として習慣的に続いていたが,それも昭和40年代以降には朱鷺のごとく自然消滅したと思っていた。ところが最近,新旧開業医の世代交代が盛んに行われるようになってくると,昔ながらの洗眼をやるやらないの軋轢を時々耳にするようになったのである。今さら,洗眼,罨法の科学的根拠を云々するつもりはないが,開業医にとってのオキュラーサーフェスには,未だ19世紀の残渣が尾を引いているように思えてならない。
我々世代の眼科医としての出発は,トラコーマ患者を洗眼することから始まった。昭和30年代,抗生剤が出回った後も開業医の外来処置として習慣的に続いていたが,それも昭和40年代以降には朱鷺のごとく自然消滅したと思っていた。ところが最近,新旧開業医の世代交代が盛んに行われるようになってくると,昔ながらの洗眼をやるやらないの軋轢を時々耳にするようになったのである。今さら,洗眼,罨法の科学的根拠を云々するつもりはないが,開業医にとってのオキュラーサーフェスには,未だ19世紀の残渣が尾を引いているように思えてならない。
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