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特集 オキュラーサーフェスToday Ⅲ 屈折矯正手術
屈折矯正手術後の創傷治癒
著者: 田中俊朗1
所属機関: 1山口大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.129 - P.133
文献購入ページに移動 屈折異常の矯正のため透明な角膜に対し手術的(外科的)侵襲を加える屈折矯正手術は,わが国でも盛んに行われつつある。これらの手術の目的は角膜の張力を変化させたり形状を変化させることで角膜の屈折力を変化させ,屈折異常を矯正することである。しかしながら,本来十分な矯正視力を有する症例に対する手術であり屈折矯正手術の後,角膜が混濁し透明性を失うことがあってはならない。角膜切開やexcimer laserによるPRKなどの屈折矯正手術の後の角膜の透明性の確保やそのほかの望ましくない併発症の発生は,これらの手術侵襲に対する角膜の反応,すなわち角膜の創傷治癒に依存する。しかし,角膜の創傷治癒は角膜局所での反応のみならず,涙液・結膜・眼瞼などの影響を強く受ける。したがって,角膜創傷治癒の機序を理解するためには角膜を取り巻く環境,すなわち眼表面の機能を理解することが必須と考えられる。角膜創傷治癒を調節する因子の細胞生物学的知見を応用することが屈折矯正手術後のより良い成績を得るために必須であり,これらの屈折矯正手術の真の発展につながると考えられる。本稿では角膜切開とexcimer laser照射後の角膜の反応と,眼表面との関わりについての創傷治癒過程を概説する。
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