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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻11号

1997年10月発行

文献概要

特集 オキュラーサーフェスToday Ⅳ 角膜移植

全層角膜移植術における角膜内皮細胞

著者: 大黒伸行1

所属機関: 1大阪大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.138 - P.142

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 角膜内皮細胞(以下,内皮)はヒトでは増殖能が極めて低いため,1つの内皮が細胞死により脱落するとその周辺の細胞は,脱落により生じた隙間を埋めるため拡大しながら移動することにより創傷治癒を行う。この時,内皮は単独で移動するのではなく,細胞群として移動し,隙間が埋まった時点でエネルギー的に最も安定した六角形細胞に戻ろうとする(boundary shortening theory)。しかしながら,慢性的な内皮への障害により,ある程度以上の細胞脱落が持続して起こると,この内皮の自己修復がついていかないため,細胞密度の減少だけでなく細胞の大小不同(coefficient ofvariation in cell size:CV)の増大や六角形細胞率の減少が認められるようになる。逆に言えば,CVの増大や六角形細胞率の減少を認める場合,内皮障害が持続して存在していることを意味している。図1は白内障手術時の正常および異常創傷治癒過程のシェーマである。これを参考に,以下の全層角膜移植術における内皮の創傷治癒過程について考えてみる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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