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文献概要
オキュラーサーフェスと私
道南地域におけるオキュラーサーフェス
著者: 江口甲一郎1
所属機関: 1江口眼科
ページ範囲:P.183 - P.183
文献購入ページに移動 私が函館に帰ってきた頃(昭和34年)の北海道道南地区は,オキュラーサーフェスに関する疾患が全盛であった。トラコーマが漁村を中心に蔓延し,お年寄りは皆強いトラコーマによる睫毛乱生,眼瞼内反症,結膜の瘢痕,そして角膜パンヌスの持主で,眼球乾燥症のために失明している方が多数おられた。
私は北海道道南地方の巡回診療を長年定期的に行っているが,いつもその惨状に眉をひそめ,良い治療法もないまま身体障害者手帳の診断書を多数発行して歩いたものであった。各種抗生物質の発達,衛生環境の改善,学校保健の普及に伴いトラコーマは激滅し,今日活動型のトラコーマはみられなくなった。しかしお年寄りの瘢痕による内反,睫毛乱生,乾燥症の治療にはなお多大の努力を強いられているのが道南の現状である。
私は北海道道南地方の巡回診療を長年定期的に行っているが,いつもその惨状に眉をひそめ,良い治療法もないまま身体障害者手帳の診断書を多数発行して歩いたものであった。各種抗生物質の発達,衛生環境の改善,学校保健の普及に伴いトラコーマは激滅し,今日活動型のトラコーマはみられなくなった。しかしお年寄りの瘢痕による内反,睫毛乱生,乾燥症の治療にはなお多大の努力を強いられているのが道南の現状である。
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