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臨床報告
文献概要
42歳の白人女性が6年前に上矢状洞閉塞を伴う上矢状近傍腫瘍と診断され,腫瘍摘出を受けた。病理学的には髄膜腫であった。今回腫瘍が再発し,腫瘍の亜摘出術を受けた。術翌日から右下方の視朦を自覚した。視野検査で,両眼とも水平子午線に沿った境界が明瞭な黄斑分割型の一致性右下四分の一同名半盲が検出された。術後の造影MRI検査で,左後頭の頭頂葉に残存腫瘍があり,周囲の脳実質は手術侵襲による浮腫のために不鮮明であった。一次視覚領である鳥距裂上唇部に異常所見はなかった。本症例は,一次視覚領域を含まない後頭葉病変でも水平子午線に沿った一致性四分の一同名半盲が起こることを示している。
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