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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻12号

1997年11月発行

文献概要

臨床報告

黄斑円孔患者の主訴と走査レーザー検眼鏡所見

著者: 花田一臣1 石子智士1 秋葉純1 長岡泰司1 北谷智彦1 水本博之1 柳谷典彦1 吉田晃敏1

所属機関: 1旭川医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1801 - P.1804

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 特発性黄斑円孔患者30例30眼(男性7名7眼,女性23名23眼,平均67.6±6.8歳)について,主訴と網膜の機能的,形態的変化との関係を検討した。Gass分類のstage2および3では主訴として変視を含むものが多かったが,stage4では少なかった。網膜機能の評価には走査レーザー検眼鏡(以下,SLO)微小視野検査を用いた。すべての症例で円孔底に絶対暗点がみられたが,中心暗点を主訴とする症例は少数だった。すべての症例で固視点は動揺し,中心暗点の自覚が少ない理由の1つと考えられた。網膜形態の観察にはSLO dark field modeを用いた。黄斑円孔は周辺網膜の形態により,円孔の周囲網膜に全層にわたる放射状の雛襞を有するもの(fold type)と円孔縁の隆起のみで雛襞は明らかではないもの(dome type)に分類された。Fold typeでは,主訴に変視を含むものが多く,円孔周囲の網膜の形態的変化が主訴に反映すると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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