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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻12号

1997年11月発行

文献概要

臨床報告

硝子体未剥離の糖尿病網膜症の眼科管理下での経過

著者: 大谷倫裕1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1813 - P.1817

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 硝子体剥離のない未治療の糖尿病網膜症227眼,152例(平均54歳)が,平均5年の眼科の管理下で,どのような経過をたどったかを検索した。初診時の網膜症は,単純型92眼(41%),前増殖型37眼(16%),増殖型98眼(43%)であった。単純型の36眼(39%),前増殖型の32眼(86%)が増殖化した。汎網膜光凝固は227眼中201眼(89%)に,硝子体手術は56眼(25%)に実施した。平均視力は初診時0.6,最終時0.3であった。最終視力0.1以下が58眼あり,その内訳は,黄斑浮腫37眼,牽引性網膜剥離8眼,血管新生緑内障3眼などであった。2眼が失明した。硝子体は終診時に,未剥離122眼(54%),完全剥離26眼(11%),部分剥離12眼(5%),硝子体手術後56眼(25%),不明11眼であった。光凝固は増殖病変の阻止には限界があり,25%で硝子体手術が必要になった。糖尿病網膜症は眼科の管理下にあればほとんどで失明をまぬがれるが,1/4が視力0.1以下になる。視力不良の過半数は黄斑浮腫が原因であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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