文献詳細
臨床報告
文献概要
硝子体剥離のない未治療の糖尿病網膜症227眼,152例(平均54歳)が,平均5年の眼科の管理下で,どのような経過をたどったかを検索した。初診時の網膜症は,単純型92眼(41%),前増殖型37眼(16%),増殖型98眼(43%)であった。単純型の36眼(39%),前増殖型の32眼(86%)が増殖化した。汎網膜光凝固は227眼中201眼(89%)に,硝子体手術は56眼(25%)に実施した。平均視力は初診時0.6,最終時0.3であった。最終視力0.1以下が58眼あり,その内訳は,黄斑浮腫37眼,牽引性網膜剥離8眼,血管新生緑内障3眼などであった。2眼が失明した。硝子体は終診時に,未剥離122眼(54%),完全剥離26眼(11%),部分剥離12眼(5%),硝子体手術後56眼(25%),不明11眼であった。光凝固は増殖病変の阻止には限界があり,25%で硝子体手術が必要になった。糖尿病網膜症は眼科の管理下にあればほとんどで失明をまぬがれるが,1/4が視力0.1以下になる。視力不良の過半数は黄斑浮腫が原因であった。
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