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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻13号

1997年12月発行

文献概要

臨床報告

多目的眼内レンズの支持部強度

著者: 根岸一乃1 蔵石さつき1 松崎忠幸2

所属機関: 1国立埼玉病院眼科 2大田原赤十字病院眼科

ページ範囲:P.1909 - P.1912

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 眼内レンズ(intraocular lens:IOL)の支持部強度を支持部の太さが均一でない毛様溝縫着用IOL(ニデック社製NR−84K)と支持部の太さが均一な通常のlOL(同社製NR−84C)とで比較検討した。方法は引張試験器を用いてIOL光学部を固定し,支持部先端を40mm/minの一定速度にて光学部と平行あるいは垂直な方向に引つ張り,名IOLの折損時の荷重と折損部位を記録した。結果は平行な牽引に対する荷重限界値はNR−84Kのほうが有意に低く(p<0.05),折損部位は両者とも全例で先端であった。垂直な牽引に対する荷重限界値は両者に有意差はなかつたが,折損部位はNR−84Kが全例先端,NR−84Cは全例根元であった。この結果から太さが均一でないIOL支持部は,太さが均一な場合よりも強農が低い可能性が示唆された。IOL毛様溝縫着術中のIOL破損は,破損IOLの硝子体中への落下により重篤な合併症を生じる危険があり,毛様溝縫着用IOLの支持部強度について,より安全な基準を定めるべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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