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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻2号

1997年02月発行

文献概要

臨床報告

特異な経過を示した網膜色素上皮剥離症例

著者: 山崎千佳代1 大塚宏之1 川村昭之1 湯沢美都子1

所属機関: 1日本大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.159 - P.163

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 大型の網膜色素上皮剥離(pigment epithelial detachment:PED)の縮小に伴い,放射状脈絡膜ひだ,色素上皮裂孔を合併した1例のインドシアニングリーン螢光眼底造影所見(indocyanine greenanglography:IA)を検討した。症例は69歳,女性。初診時両眼底後極部には大型のPEDを認め,左眼底にはPEDに接して耳上側に小型のPEDを認めた。IAではPEDは不規則低螢光を示した。約4か月後,左眼のPEDは縮小し,これに向かう放射状脈絡膜ひだがみられたが,IAでは脈絡膜ひだの中央部分に脈絡膜新生血管板は検出されなかった。30か月後の現在,脈絡膜ひだは増加し,中央部の色素上皮下液は濃縮して白色になり,一部色素上皮裂孔を生じた。本症例では明らかな脈絡膜新生血管を伴わない脈絡膜ひだが,加齢黄斑変性症に発生していた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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