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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻2号

1997年02月発行

文献概要

臨床報告

サルコイド性ぶどう膜炎に対する硝子体手術

著者: 後藤浩12 藤田浩司1 臼井正彦2 飯野倫子

所属機関: 1東京医科大学眼科学教室 2戸田中央総合病院眼科

ページ範囲:P.203 - P.208

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 サルコイド性ぶどう膜炎に対する硝子体手術の治療成績と問題点について検討した。対象はサルコイド性ぶどう膜炎5例6眼で,いずれも副腎皮質ステロイド薬を中心とした治療にもかかわらず,硝子体混濁もしくは嚢胞様黄斑浮腫による視機能の低下が改善されなかつた症例である。術前に比べ術後視力は全例で向上し,新たに硝子体混濁や網膜血管炎などを生じた症例はなかった。術前から嚢胞状黄斑浮腫が確認された3眼中,2眼に改善がみられたが,その効果には限界があった。術後,2眼に一過性の低眼圧症が生じた。サルコイド性ぶどう膜炎に対する硝子体手術は,炎症性混濁を除去することによつて視機能の改善をもたらすだけでなく,炎症の再燃予防を含めた病態の改善にも寄与する可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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