文献詳細
文献概要
臨床報告
白内障手術後眼内炎の発症頻度と予防
著者: 清水直子1 清水公也1
所属機関: 1武蔵野赤十字病院眼科
ページ範囲:P.211 - P.214
文献購入ページに移動 過去5年間に白内障手術後眼内炎を14例経験した。その起因菌は腸球菌などのグラム陽性球菌が多かった。眼内炎は腸球菌によるものなど早期発症で急激に進行するものほど,視力予後が不良であった。術後眼内炎は完全な消毒や点眼,内服,点滴などの抗生物質投与のみでは完全に予防できず,抗生物質を白内障手術時の灌流液内に注入する必要があると考えられた。当院での白内障手術後眼内炎の発症率は0.08%,小切開角膜切開無縫合手術では0.05%であった。灌流液内にイミペネムを注入後は,術後眼内炎の発症はない(0/2,160例)。
掲載誌情報