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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻3号

1997年03月発行

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(1)

学会原著

耳側自己閉鎖創白内障手術切開創長による術後乱視コントロール

著者: 岩瀬剛1 白尾裕2

所属機関: 1氷見市民病院眼科 2金沢大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.309 - P.312

文献概要

(26A-7) 白内障手術では,手術に起因する術後角膜乱視ばかりでなく,術前角膜乱視の矯正も同時に行えるのが望ましい。筆者らは術前角膜乱視の大きさにより,術式を変えることによって術後角膜乱視の最適化を試みた。術前角膜乱視が1.ODより大きい倒乱視眼に対しては,強主経線上においた幅6mmの自己閉鎖強角膜切開創からポリメチルメタクリレート製1ピース型眼内レンズを挿入し(61眼),乱視軸の角度如何にかかわらず乱視度数が1.OD以下の眼に対しては,耳側においた幅3.8mmの自己閉鎖角膜輪部切開創から折り曲げ可能なアクリル製眼内レンズを挿入した(116眼).3か月の観察期間において,術後角膜乱視が1.5D以下に収まった眼は6mm幅切開で95%,3.8mm幅切開で98%であった。術前に較べて術後には,矯正視力は全眼で,裸眼視力は1眼を除く全眼で向上した。術前倒乱視の多寡に応じて耳側自己閉鎖創長を可変する術式は,術後残余乱視の低減に有用であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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