icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻3号

1997年03月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(1) 学会原著

混合性結合組織病に合併した多発性後極部網膜色素上皮症の1例

著者: 平岩貴志1 中村誠12

所属機関: 1JA岐阜厚生連久美愛病院眼科 2名古屋大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.331 - P.334

文献購入ページに移動
(26C-11) 混合性結合組織病に合併した多発性後極部網膜色素上皮症の1例を経験した。症例は36歳の女性で,混合性結合組織病のためステロイド投与中に両眼底後極部に扁平な漿液性網膜剥離を生じ,ステロイド大量療法を開始したところ,両眼の眼底広範囲に多発性の黄白色滲出斑が出現し,体位により移動する胞状網膜剥離を伴った。螢光眼底造影検査では滲出斑に一致して両眼とも多数の漏出点がみられ,脈絡膜背景螢光の流入も遅延していた。発症時には血中のトロンビン-アンチトロンビンIII複合体が上昇しており,本症例の発症には血液凝固能の亢進による脈絡膜循環不全が関与していたと考えられた。またステロイドは本症例の増悪因子として働いたと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら