臨床眼科51巻3号

1997年03月発行

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集（1） 学会原著

高感度ビデオによる前房内浮遊物の撮影

著者： 松岡徹¹ 都村豊弘¹ 上枝宏和¹ 広岡一行¹ 岡田博季¹ 長谷川榮一¹

所属機関： ¹香川医科大学眼科学教室

ページ範囲：P.354 - P.358

（展示85）　前房内浮遊物（セル）を，細隙灯顕微鏡の接眼部に装着した高感度白黒CCDカメラで明瞭に撮影記録することができた。さまざまな程度のセルを観察できた症例21例33眼を，撮影および録画対象とした。セル数を再生したビデオモニターの静止画面上またはプリント画面上で数え，一定面積あたりの数で算出定量した。岡時にレーザー・フレア・セルメーターでセル数を測定し，前記の値と比較した。その結果，レーザー・フレア・セルメーターと高感度白黒CCDカメラでのセル測定値との間には，強い相関が認められた。高感度白黒CCDカメラを用いることにより，無散瞳下でも眼内外の反射などに障害されず，セルが明瞭な画像として観察記録できた。さらにセルの温流による動きも撮影記録できた。今回用いた方法は，きわめて安価で簡便なセルの客観的な半定量法であり，日常診療に利用されるべき方法である。