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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻3号

1997年03月発行

文献概要

臨床報告

ICG排泄機能障害がある慢性肝疾患患者におけるICG螢光眼底造影所見

著者: 丸山耕一1 中尾雄三1 松本長太1 大鳥利文1

所属機関: 1近畿大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.389 - P.394

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 慢性肝疾患患者7例において,インドシアニングリーン(indocyanine green:ICG)15分停滞率(R15)を測定し,同時に走査レーザー検眼鏡(scanning laser ophthalmoscope:SLO)を用い近赤外レーザーを使用して長時間にわたる眼底観察を行い,その造影所見について検討した。対象は男性6例,女性1例で,R15は33〜67%(正常値10%以下)と高値であった。ICG溶液静注30分後まで全例で網脈絡膜血管は明瞭に描出されていた。6例において静注1,2時間以降から後極部に小斑点状低螢光の散在がみられ,眼底周辺部と比較した後極部の明るい螢光も6例で観察された。全例において静注6時間以降,視神経乳頭内が過螢光を呈し,次第に増強傾向を示した。R15が高値を示し肝臓におけるICG排泄能が低下した場合,SLOによるICG造影所見上,網脈絡膜血管内に長時間ICGが滞留し,視神経乳頭内にICGが徐々に拡散することがわかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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