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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻3号

1997年03月発行

文献概要

臨床報告

研修病院における白内障手術教育

著者: 久田佳明1 鈴木美都子1 田中康裕1

所属機関: 1日本赤十字社和歌山医療センター眼科

ページ範囲:P.415 - P.418

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 当院では,1992年から白内障手術初心者に対し,1眼目から超音波水晶体乳化吸引術を教育し,最初の症例から全手術過程を執刀させることを目標としてきた。8名の初心者が当院で1,027眼の手術を行った。術中合併症は48眼(4.7%)に生じた。合併症の種類は,後嚢破損42眼(87.5%),チン小帯断裂6眼(12.5%)であった。前嚢破損は全症例中101眼(9.8%)に生じた。これは合併症例48眼のなかで28眼に生じ,58.0%を占めていた。アンケートにおいて研修医は合併症を起こさない要点として,術眼の把握,使用機器・器異の完全な準備,術者と患者の姿勢を慎重に決めることの3点が大切であると答えている。このことは,術前の準備が何よりも重要であるという,当院の手術に対する姿勢が受け継がれているものと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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