文献詳細
特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(2)
学会原著
文献概要
(24M-5) 特発性黄斑円孔の初期段階で中心窩硝子体剥離が生じた7例8眼の網膜の変化を走査レーザー検眼鏡を用いて観察した。初診時に中心窩直前の半透明膜状混濁や網膜の嚢胞状変化がみられた。経過中に4眼で後部硝子体剥離(posterior vitreous detachment:PVD)を生じ,他の4眼ではPVDは生じなかった。PVDが生じた4眼はPVD後平均7.3か月の経過中に2眼で黄斑の初期病変に若干改善傾向がみられたが.2眼では初診時所見と変化なかった。中心窩硝子体剥離のままPVDが生じなかった4眼は黄斑部病変に改善傾向はみられなかった。黄斑円孔が自然治癒するには少なくとも1年以上の経過を要する可能性がある。また中心窩硝子体剥離のみでは黄斑部の強い牽引は解除されても完全には牽引が消失していないことが考えられた。
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