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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻4号

1997年04月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

初期段階で後部硝子体剥離が生じ自然治癒した特発性黄斑円孔

著者: 栗原かすみ1 石橋達朗1

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.476 - P.480

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(24M-5) 特発性黄斑円孔の初期段階で中心窩硝子体剥離が生じた7例8眼の網膜の変化を走査レーザー検眼鏡を用いて観察した。初診時に中心窩直前の半透明膜状混濁や網膜の嚢胞状変化がみられた。経過中に4眼で後部硝子体剥離(posterior vitreous detachment:PVD)を生じ,他の4眼ではPVDは生じなかった。PVDが生じた4眼はPVD後平均7.3か月の経過中に2眼で黄斑の初期病変に若干改善傾向がみられたが.2眼では初診時所見と変化なかった。中心窩硝子体剥離のままPVDが生じなかった4眼は黄斑部病変に改善傾向はみられなかった。黄斑円孔が自然治癒するには少なくとも1年以上の経過を要する可能性がある。また中心窩硝子体剥離のみでは黄斑部の強い牽引は解除されても完全には牽引が消失していないことが考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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