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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻4号

1997年04月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

白内障術式からみた偽水晶体眼網膜剥離の発症形態の違い

著者: 村田友紀1 出田秀尚1 川崎勉1 横山光伸1 熊丸茂1 石川美智子1

所属機関: 1出田眼科病院

ページ範囲:P.499 - P.503

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(25A-22) 偽水晶体眼の網膜剥離125例126眼において,白内障の手術様式が網膜剥離発症に与える影響を検討した。水晶体乳化吸引術と白内障嚢外摘出術の違いでは,水晶体乳化吸引術では破嚢症例が多く,3か月以内の発症が多かった。白内障嚢外摘出術では,通常の網膜剥離発症の機序に近いと思われた。破嚢や嚢外固定などの術中トラブル症例では,4〜6か月以内の発症が多く。顆粒状組織や限局性色素塊が原因病巣であるものが多かった。これら白内障手術中にトラブルがあった症例では比較的早期に網膜剥離が発症し,硝子体の牽引による網膜剥離が多くなると考えられた。網膜剥離の素因を有する眼では,可能であれば白内障手術前に予防的な処置を行い,術中のトラブルを防止することが重要と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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