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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻4号

1997年04月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

多発性後極部網膜色素上皮症のインドシアニングリーン螢光眼底造影とその病態生理

著者: 宇山昌延1 松永裕史1 松原孝1 福島伊知郎1 岩下憲四郎1 木本高志1 山田晴彦1 永井由巳1 北村拓也1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.569 - P.574

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(26B1-10) 多発性後極部網膜色素上皮症の25例43眼にインドシアニングリーン(lCG)螢光造影を行った。本症は後極部網膜に多数の滲出斑がみられ,後極部に漿液性網膜剥離をきたす滲出性網膜剥離の一病型で,Gass (1973)は中心性漿液性脈絡膜症の異型であり,胞状網膜剥離と呼んでいる。ICG螢光造影によって造影中期(1分後)に脈絡膜血管,恐らく脈絡膜毛細血管板からの血管外漏出による過螢光が脈絡膜に見られ,造影晩期(15〜20分後)には脈絡膜背景螢光はびまん性の強い過螢光を示した。
 この所見から本症の原発病変は脈絡膜血管の透過性亢進であり,血管外漏出した脈絡膜液が組織内に貯留し,その結果,網膜色素上皮が二次的に障害されたとみられる。また本症と中心性漿液性脈絡膜症は同じ範疇(スペクトラム)に属し,互いにその両端にあると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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