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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻4号

1997年04月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

虹彩分離症の1例

著者: 渡辺朗1 敷島敬悟1 野地潤1 北原健二1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.593 - P.596

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(26C-1) 68歳女性が左眼虹彩炎で当科に紹介された。矯正視力は右1.0,左0.7であった。両眼に虹彩分離症の所見があった。眼圧は正常であった。1年後に左眼の分離した虹彩前葉が角膜内皮に接触し,角膜の混濁浮腫が生じ,視力は0.06に低下した。下方に虹彩切除を行い,角膜の混濁浮腫は軽減した。視力は0.4に改善した。虹彩の全層切除標本では,瞳孔散大筋の平滑筋細胞と虹彩実質の間に間隙があった。電子顕微鏡では虹彩実質のメラノサイトの突起の減少と細胞間隙の拡大があり,虹彩分離症の初期変化と解釈された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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