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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻4号

1997年04月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

多発性海綿状血管腫にみられた虹彩の隆起性病変

著者: 野垣恵子1 金子敏雄1 上野聰樹1 柴山英一2 打越敏之2

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学眼科学教室 2聖マリアンナ医科大学第二病理学教室

ページ範囲:P.623 - P.625

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(展示102) 脳内および皮膚の多発性海綿状血管腫の既往のある31歳女性で,反復する虹彩炎,前房出血および虹彩裏面の腫瘍の増大を示した症例を経験した。初診時の細隙灯顕微鏡検査では、左眼の微細な角膜後面沈着物,前房内細胞(3+),フレア強度(3+),9時方向に隅角部の米粒大の血腫がみられ,ぶどう膜炎を疑い精査加療を進めたが,反復する虹彩炎,前房出血,眼圧上昇,虹彩と角膜内皮の接着,水晶体前嚢の混濁出現のため,虹彩裏面の腫瘍を疑い,その摘出術を施行した。腫瘍は,縦2.0mm,横4.0mm,暗赤色,境界明瞭で虹彩,一部毛様体を含んでおり,その病理組織から海綿状血管腫に矛盾しない所見を得た。既往歴,臨床所見から海綿状血管腫が最も疑われた1例を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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