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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻4号

1997年04月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

地図状脈絡膜炎の螢光眼底造影による経時的変化

著者: 古川元1 浅原茂生1 伊比健児1 纐纈侑子1 秋谷忍1

所属機関: 1産業医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.675 - P.678

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(展示143) 47歳女性の左眼に地図状脈絡膜炎が発症した。発症4か月後から2年半の間,フルオレセインとインドシアニングリーン(indocyanine green:ICG)による螢光造影を繰り返し行った。新鮮病巣は,ICG造影では造影初期から後期まで低螢光で,その範囲はフルオレセイン造影所見よりも広かった。ICG造影では,低螢光の領域には脈絡毛細血管板は造影されず,造影される脈絡膜の中大血管の数が減少していた。以後2年間の経過中,脈絡膜の中大血管の造影が回復し,最後に脈絡毛細血管板の造影も回復した。観察された低螢光は網膜色素上皮の浮腫による螢光ブロックと解釈された。本例は強い萎縮巣を残さない非典型的な症例であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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