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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻4号

1997年04月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

全身熱傷後にみられた瞳孔緊張症の1例

著者: 鈴木温1 井崎篤子1 下奥仁1

所属機関: 1兵庫医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.679 - P.681

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(展示164) 35歳男性が車内にガソリンを撒いて点火し,自殺を試みたが未遂に終った。7週後に鏡を見て左眼の散瞳を自覚した。初診時の矯正視力は各眼1.5。左眼瞳孔は散瞳し,対光反射は消失していた。眼位と眼球運動は正常で,中間透光体と眼底に異常はなかった。血液一般検査では軽度の炎症所見があったが,他に異常はなかった。患眼の瞳孔は0.1ピロカルピン点眼で縮瞳し,過敏性を呈した。電子瞳孔計で近見反応を検査すると,tonicな反応があった。以上の所見からAdieの瞳孔緊張症と診断し,その原因としての全身の熱傷が強く疑われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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