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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻4号

1997年04月発行

文献概要

臨床報告

特発性頸動脈海綿静脈洞瘻に対するマタス手技に関連して発生した網膜中心静脈閉塞症

著者: 田畑賀章1 上村昭典1 岩切直人1 神村浩策1

所属機関: 1鹿児島大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.749 - P.753

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 マタス手技は特発性頸動脈海綿静脈洞瘻に対する非観血的治療法として知られ,その簡便さのために広く用いられている。筆者らは,マタス手技を施行した10例のうち5例に網膜中心静脈閉塞症(central retinal vein occiusion:CRVO)の発症をみた。このうち,虚血型CRVOの2例はマタス手技の終了後に発症した。非虚血型CRVOの2例と,非虚血型CRVOから虚血型CRVOへ移行した1例は,マタス手技を開始した直後に発症した。これら5例中4例の視力の転帰は不良であった。マタス手技の施行にあたっては,CRVOが頻発する可能性を念頭に置いて行う必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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