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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻5号

1997年05月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

自己閉鎖創眼内レンズ2次挿入術中に生じた駆逐性出血の1例

著者: 鈴木恵1 吉田紳一郎1 高橋一則1 橋本浩隆1 筑田真1

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院眼科

ページ範囲:P.851 - P.854

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(展示70) 高血圧の既往がある82歳女性の右眼に,眼内レンズ2次挿入術を行った。10年前に計画的嚢外摘出術が行われ,後発白内障に対して後嚢切開術が施行されていた。眼底には近視性脈絡膜萎縮以外の異常はなかった。眼内レンズ2次挿入術中に,硝子体圧上昇,血圧上昇,尿意,疼痛が生じ,投薬と排尿を行い,自己閉鎖創を縫合して手術を終った。術翌日に,視力光覚弁,眼底透見不能,眼圧11mmHgであった。超音波検査とMRIで,高度の脈絡膜出血と駆逐性出血が発見された。強膜切開と硝子体手術を行い,脈絡膜剥離と脈絡膜出血は消失した。自己閉鎖創手術は眼圧の変動が少ないとされているが,本例では複数の危険因子に加えて,術前に後嚢切開が行われていたために。術中操作時には解放状態にあったと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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