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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻5号

1997年05月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

外眼部所見に乏しい,網膜中心動静脈断裂と考えられた眼球打撲の1例

著者: 谷川実1 塚原康友1

所属機関: 1神戸大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.877 - P.879

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(展示239) 2歳女児が,自宅の机の角で左眼を打撲した。眼瞼の擦過症と皮下出血があったが軽微であった。2日後に当科を受診した。左眼視力は光覚弁±で、前眼部には異常がなかった。左眼に網膜の混濁,網膜中心動静脈の血流途糸色網膜前と網膜下の出血,乳頭前の硝子体出血があった。受傷8日後の螢光眼底造影で,脈絡膜には血流があったが,網膜血管には血流が途絶していた。鈍性外傷で網膜中心動静脈の閉塞が起こりうること,そして乳幼児では一見軽微な外傷でも,注意が必要であることを示す例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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