文献詳細
特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(3)
学会原著
文献概要
(25A-12) 糖尿病黄斑症(CSME)に対する光凝固の長期経過を調査検討した。凝固後3年で視力改善18眼(25.0%),不変38眼(52.8%),悪化16眼(22.2%)であった。視力0.8未満の症例においては改善率が40.0%であった。3段階以上の視力低下を来した症例は12.5%であり,ETDRSの結果とほぼ同様であった。凝固後の視力変化はHbA1c値,血清総コレステロール値,トリグリセライド値,HDL-コレステロール値のいずれとも相関しなかった。凝固後の視力低下を促進させる因子として,腎障害,CME,中心窩周囲の無血管帯の拡大,macular depositの存在が考えられた。78%の症例で照射後3年にわたって視力を改善または維持し得たことより,糖尿病黄斑症に対でずる光凝固は長期にわたっても,視力維持または改善に有効であるものと考えられた。
掲載誌情報