icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻5号

1997年05月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

糖尿病黄斑症に対する光凝固の長期経過

著者: 大越貴志子1 草野良明1 四蔵裕実1 山口達夫1

所属機関: 1聖路加国際病院眼科

ページ範囲:P.923 - P.927

文献購入ページに移動
(25A-12) 糖尿病黄斑症(CSME)に対する光凝固の長期経過を調査検討した。凝固後3年で視力改善18眼(25.0%),不変38眼(52.8%),悪化16眼(22.2%)であった。視力0.8未満の症例においては改善率が40.0%であった。3段階以上の視力低下を来した症例は12.5%であり,ETDRSの結果とほぼ同様であった。凝固後の視力変化はHbA1c値,血清総コレステロール値,トリグリセライド値,HDL-コレステロール値のいずれとも相関しなかった。凝固後の視力低下を促進させる因子として,腎障害,CME,中心窩周囲の無血管帯の拡大,macular depositの存在が考えられた。78%の症例で照射後3年にわたって視力を改善または維持し得たことより,糖尿病黄斑症に対でずる光凝固は長期にわたっても,視力維持または改善に有効であるものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?