文献詳細
特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(3)
学会原著
文献概要
(26B1-15) 中心性滲出性網脈絡膜炎16例16眼に対して,インドシアニングリーン螢光造影を行った。14眼で,脈絡膜新生血管周囲に輪状の低螢光を伴っていた。この低螢光輪は,経過中に新生血管の活動性が低下するにしたがって明瞭に観察されるようになった。また,造影後期に,脈絡膜血管の透過性亢進によると考えられる過螢光領域が10眼で観察された。これは新生血管周囲に好発(8眼)していた。脈絡膜静脈の拡張が3眼にあった。本症の脈絡膜新生血管は周囲に低螢光輪を伴うことが特徴であり,それは退縮過程を示す所見で本症の病勢の把握に有用であることが結論された。また,脈絡膜では透過性亢進や静脈拡張といった血管病変があることが明らかとなり,本症の発症に関与しているものと推測された。
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