icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻5号

1997年05月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

ミトコンドリア筋症と眼合併症

著者: 稲谷大1 高木均1 喜多美穂里1 柏井聡1 本田孔士1 植村健吾2 池田昭夫3

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科視覚病態学教室 2京都大学大学院医学研究科神経内科学教室 3京都大学大学院医学研究科臨床脳生理学教室

ページ範囲:P.989 - P.993

文献購入ページに移動
(26C2-1) 12例24眼のミトコンドリア筋症患者の眼合併症について検討した。Kearns-Sayre症候群(KSS)では外眼筋麻痺,網膜色素変性,心伝導障害の3主徴を全てそなえた典型例は少なく,眼科的には網膜色素変性を伴わない非典型例のほうがむしろ多くみられた。ミトコンドリア筋症患者のうち,眼底に異常のみられない症例や,視力障害のあまり強くない症例にも網膜電図にて異常がみられた。眼合併症を伴うことが比較的少ないといわれる高尿酸血症,卒中様症状を伴うミトコンドリア脳筋症(MELAS)症例に,網膜色素上皮の変性と視神経萎縮を伴った症例や若年性の成熟白内障を伴ったragged-red fiberを伴うミオクローヌスてんかん(MERRF)症例を経験した。三大病型に従来いわれている眼所見に一致しない症例があることに留意し,視力障害,眼底所見に異常のみられない症例においても経過観察を行い,白内障にも留意すべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?