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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻5号

1997年05月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

硝子体手術後に特異な増殖膜様組織を形成した桐沢型ぶどう膜炎の1例

著者: 久保木淳子1 佐藤雅美1 佐久間健彦1 阿部俊明1 玉井信1

所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1025 - P.1028

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(展示106) 硝子体手術後の経過中に,特異な増殖膜様組織が形成された桐沢型ぶどう膜炎の1例を経験した。症例は34歳女性。左眼の桐沢型ぶどう膜炎に対し,硝子体切除およびアシクロビル投与を行い,視力は0.4から0.9に回復した。その後,網膜前に増殖膜様組織が形成され,白内障も進行し,裸力は0.1以下に低下した。白内障術後に行った眼底精査の結果,増殖膜様組織の除去による視力改善の可能性は低いと考えられたため,経過観察とした。桐沢型ぶどう膜炎は,抗ウイルス剤投与や手術療法により視力予後が改善されているが,症例により手術後にさまざまな経過をとることがあり,長期にわたって慎重に経過を観察する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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