臨床眼科51巻5号

1997年05月発行

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集（3） 学会原著

成人T細胞白血病にて視神経炎様症状を認めた1例

著者： 宮本紀子¹ 柏井聡¹ 松田紀² 清水恵美子²

所属機関： ¹京都大学大学院医学研究科視覚病態学教室 ²洛和会音羽病院

ページ範囲：P.1043 - P.1045

（展示173）　44歳男性の右眼に急性視神経炎が生じた。ステロイド剤の全身投与により寛解したが，5か月間に2回の再発があり，そのつどステロイド剤で寛解し，以後18か月間治癒した状態にある。初診の3か月後に白血球増多と成人T型細胞白血病（HTLV−1）抗体陽性が発見された。HTLV−1の保因者に生じたステロイド反応性視神経炎と解釈された。