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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻5号

1997年05月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

高眼圧を伴ったTolosa-Hunt症候群

著者: 今泉正仁1 岸本直子1 北村拓也1 板垣隆1 柏木伸夫2

所属機関: 1市立吹田市民病院眼科 2市立吹田市民病院放射線科

ページ範囲:P.1051 - P.1054

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(展示187) 48歳男性のTolosa-Hunt症候群に高眼圧を合併した1例を経験した。初診時矯正視力は右眼1.0,左眼0.9。眼圧は右眼40mmHg,左眼16mmHgと右眼に高眼圧があった。右眼には,眼球突出と球結膜の充血・浮腫があり,全方向の眼球運動障害を示した。中間透光体,眼底には異常なく,左眼も異常なかった。MRIで右海綿静脈洞内から上眼窩裂に及ぶ肉芽腫様の腫瘤形成があり,高眼圧は,右海綿静脈洞の病巣により,眼静脈のうっ帯が起こったためと思われた。副腎皮質ステロイド剤の大量投与により病巣の縮小とともに,眼球運動障害,眼球突出などの眼症状は改善し,眼圧も低下した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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