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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻5号

1997年05月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

網膜血管閉塞症におけるトロンビン・アンチトロンビンⅢ複合体

著者: 中西陽子1 朝元綾子1 小沢勝子1

所属機関: 1名古屋市立東市民病院眼科

ページ範囲:P.1058 - P.1060

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(展示243) 要約 網膜血管閉塞症に対する線溶療法の要否を明らかにするために.46症例について血液凝固能の亢進状態を示す血中トロンビン・アンチトロンビンIII複合体(TAT)値をウロキナーゼ(UK)点滴投与前後に測定した。さらに線溶系の指標として血中プラスミノーゲン(PG),アンチプラスミン(AP),α2—プラスミンインヒビター・プラスミン複合体(PIC)それぞれの値についても検討した。TAT,PG,AP値の平均値はUK投与前より投与後の方が低値を示し,両者間に有意の差を認めた。PIC値は投与前より投与後の方が高値を示したが両者の間に有意差はなかった。本疾患において血液凝固機転の亢進状態が確認され,UK投与により凝固亢進状態が改善傾向を示し,抗血栓療法の有用性を裏付けるものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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