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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻5号

1997年05月発行

文献概要

臨床報告

Orbital granulocytic sarcoma成人例の病理学的検討

著者: 古野久美子1 藤田浩之2 丸田壱郎2 飯田萬一3 早淵洋子3 青木繁4

所属機関: 1神奈川県立がんセンター眼科 2神奈川県立がんセンター血液化学療法科 3神奈川県立がんセンター病理 4北里大学医療衛生学部視覚機能療法学

ページ範囲:P.1077 - P.1082

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 急性骨髄性白血病完全寛解期の45歳男性で,眼窩腫瘍が結膜円蓋部へ突出し,摘出したところOrbital granulocytic sarcoma (OGS)であった。OGSの発症は10歳代がほとんどであり本症例のような高年齢発症は稀で,リンパ系腫瘍との鑑別が重要である。初診より9か月で発症し,腫瘍摘出によって白血病の再発が確認され,6か月後に死亡した。手術中に腫瘍が強膜から比較的容易に剥離できたこと,腫瘍には膠原線維の血管に富んだ偽被膜がみられ,膨張性に腫瘍細胞浸潤がみられたことより発症部位はテノン嚢内が考えられた。OGSと骨髄で,パラフィン標本ではあるがBリンパ球系免疫染色で陽性を示したことにより,特異性には問題があるがBリンパ球系と骨髄系のbiphenotypic leukemjaの可能性があると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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