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臨床報告
文献概要
Leigh症候群はミトコンドリア脳筋症のひとつで,大脳基底核を中心とした左右対称の壊死性病変を呈する小児の変性疾患である。眼底所見の報告はこれまでわずかであるが,筆者らは本疾患3例の経時的観察を行った。眼底は初診時から後極を中心とした網膜変性や視神経萎縮があり,これらは徐々に進行したが,初期から網膜・視神経に重篤な障害があると思われた。一方,中枢神経系は進行が顕著であった。2例にはミトコンドリア酵素の異常が認められた。中枢神経や網膜・視神経は酸化的呼吸を特に必要とするため,本症例ではミトコンドリアの異常によって重要な中枢神経と眼底の異常が発生するものと考えられた.
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