臨床眼科51巻6号

1997年06月発行

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集（4）

学会原著

網膜中心静脈閉塞症に対するウロキナーゼ・リポ化プロスタグランジンE₁・星状神経節ブロック3者併用療法

著者： 石田晋¹ 桂弘¹ 有沢武士¹ 井上真¹

所属機関： ¹慶應義塾大学医学部眼科学教室

ページ範囲：P.1045 - P.1047

文献概要

（24D-8）　40歳以上の非虚血型網膜中心静脈閉塞症（central retinal vein occlusion：CRVO）23例24眼を，ウロキナーゼ・リボ化プロスタグランジンE₁・星状神経節ブロック3者（UPS）併用療法を行った12眼（UPS群）と行わなかった12眼（非UPS群）に分けて，その有効性につきretrospectiveに検討した。最終視力0.1以下の視力不良例はUPS群5眼，非UPS群3眼，0.7以上の視力良好例はいずれの群も5眼であり，2段階以上の視力悪化例はUPS群3眼，非UPS群4眼，視力改善例はUPS群3眼，非UPS群5眼であった。また，汎網膜光凝固を要した症例はUPS群2眼，非UPS群3眼であった。以上の結果から，UPS併用療法はCRVOの予後に明らかな影響を与えないと考えられる。