臨床眼科51巻6号

1997年06月発行

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集（4） 学会原著

6pトリソミー症候群の1例

著者： 金児由美¹ 保谷卓男² 海平淳青² 吉村長久² 福嶋義光³

所属機関： ¹浅間総合病院眼科 ²信州大学医学部眼科学教室 ³信州大学医学部衛生学教室

ページ範囲：P.1106 - P.1108

（26C2-3）　異常な顔貌，心雑音，股関節脱臼，体重増加不良などで染色体異常が証明された生後3か月の女児が眼科に紹介された。前額部の隆起青後頭部扁平，球状鼻，耳介低位付着，小口症があり，生後1年の時点で，全身に発達遅延と肺動脈弁狭窄，両眼に眼瞼下垂，眼瞼狭小，眼球上転障害，小眼球，小角膜，虹彩低色素，片眼の虹彩角膜癒着などがあった。G染色法による染色体分析で，核型は［46,XX，6q＋］であり，6p21を切断点とする6pトリソミーであった。本症としては眼所見が多彩であった。