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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻6号

1997年06月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

28年間無症状であった眼内鉄片異物の症例

著者: 来栖昭博1 藤原りつ子1 長野千香子1 和中幸生2 宮崎茂雄2

所属機関: 1あさぎり病院眼科 2兵庫医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1169 - P.1172

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(展示118) 57歳男性の右眼に28年前に鉄片が飛入し,角膜縫合と水晶体嚢内摘出術を受けていた。磁石による異物除去は不成功であった。X線とCTによる今回の検索で,右眼球内に異物が発見された。網膜電図所見は左右眼で差がなかった。摘出された異物は被包化された鉄片であり,直径が約11mmで,走査電子顕微鏡で異物の表面に結晶構造が観察された。X線微量分析で,豊富な鉄と燐が同定された。異物の被包は線維成分を主とし,鉄を貪食した多数の大食細胞を含んでいた。燐を含む結晶構造と大腔細胞を含む線維性被膜が,異物からの鉄イオンの拡散防止に作用したと推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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