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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻6号

1997年06月発行

文献概要

特集 第50回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

網膜静脈閉塞症におけるワーファリン少量投与の検討—第1報 慢性期における再発予防のための過凝固状態の補正

著者: 池田俊英1 小川憲治2 高橋健一郎3 藤井清美3 井上新3

所属機関: 1行岡病院眼科 2市立豊中病院眼科 3市立堺病院眼科

ページ範囲:P.1221 - P.1224

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(展示252) 発症から4か月以上を経過した慢性期網膜静脈閉塞症23例に,ワルファリンカリウム(ワーファリン®)1日1mgを平均30日間投与し,血液所見を中心に検索した。症例は,分枝閉塞症18例,中心静脈閉塞症5例である。血中プロトロンビン時間(PT)値は,投与後有意に低下した(p<0.05)。投与後も1例を除いて正常範囲内にあった。血中トロンビン・アンチトロンビンIII複合体(TAT)は,投与前に16例(70%)が凝固亢進状態にあり,投与後は有意に減少し(p<0.05),9例で正常範囲に是正された。ワーファリン®投与による出血などの合併症は皆無であった。本症の治療として,ワーファリン®投与により過凝固状態を是正する可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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