icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻6号

1997年06月発行

文献概要

臨床報告

側方注視麻痺で初発した脳幹部神経膠腫の1例

著者: 中村靖1 鈴木智子1 橋本雅人1 大塚賢二1

所属機関: 1札幌医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1256 - P.1258

文献購入ページに移動
 症例は6歳男児で,左の側方注視麻痺により発症し,MRI画像で境界が不鮮明で,T1強調画像で低信号,T2強調画像で不均一な高信号を示す巨大な腫瘤が橋全体に認められた。Gadoliniumdiethylenetriamine pentaacetic acid (Gd-DTPA)で左paramedian pontine reticular formation (PPRF)近傍に造影効果が認められた。画像所見により脳幹部神経膠腫と診断され,放射線および化学療法を施行したが9か月後に死亡した。脳幹部神経膠腫は小児期に好発し,小児期の眼球運動障害をきたす生命予後不良の疾患である。本症例は側方注視麻痺により発症した比較的まれな症例であり,小児期における中枢性眼球運動障害の症例に対して,CTやMRIなどの画像診断を積極的に行うべきであると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?