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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻6号

1997年06月発行

文献概要

臨床報告

眼窩減圧術が著効した甲状腺性視神経症の2例

著者: 清水美穂1 大塚賢二1 盧勇1 三浦道子1

所属機関: 1札幌医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1269 - P.1272

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 両眼の眼球突出と急激な視力低下をきたした甲状腺性視神経症の2症例を経験した。両者とも,X線CT,MRIにおいて,肥大した外眼筋による眼窩先端部での視神経の直接圧迫が認められた。これに対し,ステロイドパルス療法,放射線療法などの保存的療法を行ったが反応なく,視力および視野の悪化がみられたため,視機能の改善のためには早急に視神経の圧迫を除去する必要があると考え,眼窩減圧術を施行した。術直後より視力,視野の著明な改善がみられ,最終視力は両者とも1.0に達した。画像診断でも,眼窩内容積は拡大し,視神経と外眼筋との間隙も広くなり、視神経の圧迫が解除された。高度な視力低下があり,保存的療法に反応しない甲状腺性視神経症に対し,眼窩減圧術は有効であり,積極的に行うべきと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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