icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻6号

1997年06月発行

文献概要

臨床報告

放射線網膜症のインドシアニングリーン赤外螢光造影所見

著者: 中村玲子1 斎藤民也1 出口達也1 米谷新1

所属機関: 1埼玉医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1273 - P.1278

文献購入ページに移動
 放射線治療後に発症し,放射線網膜症と診断された3症例に,螢光眼底造影(FAG)とインドシアニングリーン赤外螢光眼底造影(ICG)を施行し,各々比較検討した。FAGでは,すべての患者において綿花様白斑に一致した血管床の閉塞が観察された。ICGでは,老年者の2症例にて後極に高輝度の螢光斑がみられ,その周辺に脈絡膜障害を示唆する低螢光部位が散在していた。これらの低螢光部位は,FAGでみられた血管床閉塞の部位よりも広範囲であった。これに対して20歳の若年者の症例では,綱膜血管の障害が著しいにもかかわらず,脈絡膜の障害は軽度であった。放射線網膜症に対してICGを行うことによって,脈絡膜の放射線による障害は網膜の障害の程度と一致しないことが判明した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら