文献詳細
臨床報告
文献概要
現在までに結膜血管腫に螢光造影を行った報告はほとんどない。フルオレセイン螢光造影(FA),ICG赤外螢光造影(IA)を施行した結膜血管腫の1例を報告した。症例は28歳女性。右眼鼻側球結膜に直径1.5mmの血管腫を認めた。FA早期では血管腫の中心は低螢光であったが,次第に辺縁から色素の漏出がみられた。IAでは流入動脈の同定が可能で,血管腫にvascular patternを認めた。血管腫は均一に造影され,その後低螢光になったが,造影後期には底部に螢光貯留による過螢光がみられた。血管腫および流入動脈に光凝固を2回施行し,FA,IAにて血管腫の消失が確認された。結膜血管腫に対しFA,IAは光凝固部位の決定や治療効果の判定に有用であった。
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