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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻7号

1997年07月発行

文献概要

臨床報告

皮膚悪性黒色腫に合併した原田病の1症例

著者: 堀川沙紀1 早川むつ子1 海老原伸行1 金井淳1 河村靖2 山下真之1 小川秀興1 織畑剛太郎3 二川俊二3

所属機関: 1順天堂大学医学部眼科学教室 2順天堂大学医学部皮膚科学教室 3順天堂大学医学部第二外科学教室

ページ範囲:P.1325 - P.1328

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 原田病にみられる多彩な臨床像は,メラノサイトが何らかの免疫機序により傷害される結果生じると考えられているが,その機序はまだ完全には解明されていない。筆者らは,膝の皮膚に原発した悪性黒色腫の診断に前後して原田病特有の眼所見(夕焼け状眼底,虹彩炎,杉浦のサイン),眼以外の所見(皮膚白斑,白髪,脱毛)および臨床検査所見(髄液細胞増多,HLA-DR4陽性)を認めた1症例を経験した。この症例の悪性黒色腫は表在性拡大型で,自然退縮傾向のある型であった。悪性黒色腫が何らかの誘因となって,メラノーマ細胞と同時に正常なメラノサイトを攻撃する免疫反応が起こり,原田病が発症したことが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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