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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻7号

1997年07月発行

臨床報告

超音波カラードップラー装置により長期間観察した頸動脈海綿静脈洞瘻

著者: 加藤正弘1 難波克彦1

所属機関: 1帝京大学医学部附属溝口病院眼科

ページ範囲:P.1329 - P.1335

文献概要

 57歳女性の頸動脈海綿静脈洞瘻の症例に対し,超音波カラードップラー装置を用い,臨床像および理学的所見を定量的に評価した。症例は内頸および外頸動脈と海綿静脈洞とのdural shuntを有し,導出静脈は主に左上眼静脈で拍動性に富む動脈性のドップラー波形を描き,血管の高度な拡張を伴う正常と逆の赤色系の血流動態として描出された。右上眼静脈は軽度に拡張した静脈系の血流動態を示した。海綿静脈洞と内頸動脈とのshuntの塞栓術後,左上眼静脈の拍動性は減弱した。本法は本症の局所血流動態を非侵襲的に直接動的に経過観察できる有用な方法で,そのドップラー・スペクトラムは病勢と相関し,病像および治療のすぐれた指標となりうる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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