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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻7号

1997年07月発行

臨床報告

角膜形状解析を用いた円錐角膜に対するハードコンタクトレンズ処方システム

著者: 神谷和孝1 宮田和典1 水流忠彦2 藤原慶二3

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室 2東京大学医学部附属病院角膜移植部 3サンコンタクトレンズ

ページ範囲:P.1367 - P.1371

文献概要

 円錐角膜は,進行すると頂点部では角膜曲率が急峻化するが,周辺部では逆に相対的に平坦化が強くなるため,通常の方法ではハードコンタクトレンズ(hard contact lens:HCL)の処方が困難となる症例が少なくない。そこで筆者らは角膜形状解析を基にした円錐角膜に対するコンタクトレンズ設計用プログラムを用いたシステムを開発し,既製のHCLが装用困難であった円錐角膜症例5例9眼を対象としてカスタムメイドHCLの処方を試みた。装用後1か月において9例中7眼に矯正視力の改善を認め,平均10時間以上の装用が可能となった。また,全例で装用感の改善が得られ,HCL装用に伴う重篤な合併症は生じなかった。本システムは通常のHCLの処方が困難である進行した円錐角膜に対するHCLの処方に有用であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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