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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻7号

1997年07月発行

文献概要

臨床報告

鉄欠乏性貧血患者に合併した毛様網膜動脈閉塞と網膜中心静脈切迫閉塞

著者: 高木康宏1 瀬口ゆり1 田村充弘1

所属機関: 1大分県立病院眼科

ページ範囲:P.1377 - P.1379

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 鉄欠乏性貧血に網膜中心静脈切迫閉塞と毛様網膜動脈閉塞を併発した1症例を経験した。症例は45歳女性,主訴は右眼の突然の視力低下。初診時視力は右眼前手動弁。右眼底に,黄斑部を含む耳下側を中心とした領域の乳白色混濁,網膜血管の怒張,蛇行と出血,また螢光眼底造影で網膜乳白色病変に一致した動脈灌流の遅延,静脈層流の遅延を認めた。初診時の血液検査結果で鉄欠乏性貧血を認め,その治療開始後,視力の改善がみられた。鉄欠乏性貧血の低酸素状態が,網膜中心静脈閉塞をきたし,さらに,動静脈の圧勾配の変化で毛様網膜動脈閉塞を起こしたものと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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